小児矯正
お子さまの歯並びが気になる方へ
その小児矯正では、大きく分けて4つのステージがあります。
6歳頃
さらに顎の成長の様子を見ながら、永久歯列がちゃんと整うまでコントロールしていきます。
月に1、2回程度の通院で動的処置を行い、また年に3~6日程度の通院で経過を観察します。
12歳頃
治療は月に1~2回程度の通院で、だいたい3年前後かかります。
15歳頃
歯槽骨がしっかり安定するまで、簡単な装置で1~2年は歯をその場所に固定しておきます。
通院は年に3~6回程度です。
18歳頃
その後も定期的に検診を受けるとよいでしょう。
矯正を始める時期、治療期間
お子さまの矯正治療を開始するのに適した時期は、症状によって異なります。
早ければいいとは言いきれません。
まず、矯正治療の必要性をお子さま自身が理解する必要がありますから、6歳頃が適当といえます。
6歳頃は乳歯から永久歯に萌え替わる時期。
顎が成長し、矯正治療に大切な骨格的バランスを整えやすい時期です。
症状によっては、この混合歯列期に治療を開始するメリットがある場合もありますから、小さなお子さまの場合は、永久歯に萌え替わる頃、一度歯医者さんに相談するとよいでしょう。
また、成人してからでも矯正治療は始めることができます。
ただし、矯正治療は入れ歯やむし歯の治療と違い、ほとんどの場合が保険の効かない自費治療であり、また治療を進めていく上で、長期間にわたり先生の指示に従って根気よく通院していただくことが不可欠となります。
ですから、治療を始めたら途中で中断することのないように、十分通院できる見通しがついてから始めるのがよいでしよう。
小児矯正歯科の手法
成人の矯正治療に比べ、お子さまの矯正では、装置の装着以外でも働きかけることができます。
「生え替わる時期」を矯正に活かす方法です。
本来、永久歯の並ぶ位置は、歯を取り囲む頬の内側の筋肉や、舌の影響を受けて、口腔周囲筋や、舌とのバランスの取れた位置に並んでいきます。
この時期に指しゃぶりや、舌で歯を押す、口をあけて呼吸するなどの習慣があると、そのバランスが崩れ、歯列不正へとつながっていきます。
この時期に、口腔筋機能療法(MFT)を取り入れることで、永久歯が正しい位置に収まるようにします。
これは、弛緩した口唇を閉まりやすくし、低位にある舌を正しい位置に安定させる療法です。
歯科衛生士の指導で、口腔周辺の悪習癖を治療していきます。
口のまわりの筋肉を鍛え、舌のトレーニングも行っています。
するとワイヤー矯正が不要のまま歯並びがよくなるお子さまもいらっしゃいます。
そして、噛む、飲み込む、発音、呼吸などの口腔機能も改善され、いびきや睡眠時無呼吸症の改善につながることもあります。
見た目でも、口角が上がり、口元の審美性も上がります。
舌が正しい位置に落ち着くと、顎のズレの解消、噛み合わせの安定などにつながり、不自然に口を開けたままで呼吸することも減ります。
すると口が乾燥しませんから、歯肉炎のリスクが低くなり、口臭も軽減します。
顎を突き出さなくなると、姿勢もよくなります。
こうして、本格的なワイヤー矯正が必要なほど歯並びがよくないお子さまでも、永久歯に生え替わるまでの間にこの訓練をしっかり行っていると、矯正期間が短くでき、矯正後の後戻りも少なくなります。
矯正歯科治療の流れ
治療のあらましや、基本的な矯正治療、費用の説明をします。
顎の運動時、静止時の様子や、歯並びの歯形、唾液量、歯根の様子などをCTやレントゲン撮影、外観の撮影などで確認します。
治療方針の決定。
装置や期間の説明をします。
治療を開始します。
よくある質問
治療後、また歯並びが戻ってしまうこともあるようですが、どのようにすると後戻りを少なくすることが可能ですか?
口腔筋機能療法(MFT)を続けることや、マウスピースを使うなど、歯が移動するのを止める手法をとります。
後戻りの理由を教えてください。
毎日の生活習慣が大きな要因です。
元々歯並びを悪くする癖や習慣を持っていたのですから、その改善も矯正中に一緒に行っていきます。
保護者の方へのお願いやお伝えしていることはありますか?
矯正治療は将来を考えて正常に噛める歯並びをつくる治療です。
そのためには日頃の習慣を正常にすることが不可欠です。
歯磨きはもちろん、食事のときの噛み方や、口の開け方、頬杖など顎への間違った負荷には注意し、その都度直してあげて欲しいとお話しています。